唐木俊介のブログ

comedy daily life

石鹸と爺さん

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最近、石鹸です。

 

 

 

ありがたいことに石鹸のセットを頂きまして、最近我が家のメンバーはお風呂で身体を洗う時にボディソープではなく石鹸を使っています。石鹸は泡立ち、泡切れともにそれまで使っていたボディソープよりも良く、また洗いあがりは肌がキュキュッと締まって、とても心地良いのであります。この頂き物の石鹸が無くなるまでボディソープは使わない予定です。

 

 

 

その石鹸というのが、泡もキメ細やかで濃厚、素人の(というかどういうのが石鹸のプロなんだ?)僕が見ても上質だと思える代物で、かなり高級な印象。とてもイイ物を使っているんだなぁと泡立てながら実感するわけですが、ここでいつも僕の脳裏をよぎるのは今は亡き祖父のこと。

 

 

 

僕の爺さんはファンキーな人で、趣味はパチンコ。毎日のようにミッションのスズキアルトをぶっ飛ばしては駅前のパチンコ屋に通うのでした。行きつけのパチンコ屋の店名は「ラッキー本店」。ラッキー本店に爺さんがどれだけの大金をつぎ込んだのか知りませんが、爺さんをはじめ毎日沢山の客が訪れる駅前のパチンコ店は当時繁盛していて、その店自体は名実ともにラッキーなんだけれど、お客さんはどうだか・・・。家に帰ってきた爺さんに「どうだったん?」と聞くと、かなりの高確率で「ええい!いけなー!!」(←福山弁で「ダメだったわー」の意)と一言放ち、セブンスターに火を点けて自室へと消えていくのでした。で、その後ドアの向こうから決まって痰の音がする。「カーッ!!」っと。あの「カーッ!!」で、その日の負けの悔しさを洗い流すんだろうなと僕は思っていました。

 

 

 

ある日、風呂上りのオカンが妹と何やら話している。「おかしい、おかしいぞ」みたいなことをしきりに喋っていて、どうした?と聞くと「減っている、石鹸が」と言う。その石鹸というのが有名な高級洗顔石鹸で、緑と白の2種類の石鹸を順番に使って顔を洗うというもの。緑で大まかに汚れを落として、白で仕上げとか、そういう使い方だったと思う。ネットで少し擦るだけで十分泡立つそれは凄まじく高価な代物なので、母と妹はとても大切に使っていたそうです。ところがある日のこと、白の方が異様に減っていると・・・。

 

 

 

そんな話をしているところを爺さんが通るのです。オカンが爺さんに石鹸使いました?と聞くと「お?石鹸?あの小さい、白いぶん? おお、つこーたよ?どしたん??」と聞き返す。爺さんはいつも使っている安い石鹸と勘違いして、例の白い方をガシガシのナイロンタオルで泡立てたのです。「ガーッ!!」っと。その「ガーッ!!」で、その日の負けの悔しさを洗い流したんだろうなと思ったわけではありませんが、まあ相当キメ細かくて濃厚な泡だったろうな・・・「そういやぁなんか調子がええのう」じゃねえよ爺さん。それで角質を落としても今度は嫁との確執が生まれるんじゃないのか?と案ずるも、この日ばかりは本店からラッキーを分けてもらったか爺さん、ありがたいことに我が家円満につき笑い話で一件落着となりました。

 

 

 

っていうのを、いつも思い出す。自分のナイロンタオルで石鹸を泡立てる時に・・・。で、なぜかそれを振り切るように身体を洗ってます。「ガーッ!!」っと。

 

 

 

 

 

 

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