「これ開けて~」と妻のアキさん。
桃の瓶詰のフタが開かないと僕のところに持ってきた。「ほい」と僕。これです↓↓
受け取った僕は窓を開けて振りかぶり、ダルビッシュ的強肩豪快ストレートで道路に向かって投げつけました。多分140km/hくらい出ていたんじゃないかな。まっすぐに空を切ったそれは跡形も無く粉々になり、それを見たアキさんはそそくさとアスファルトに放り出された桃の実を拾いに行くのでした。というのは嘘で、瓶を受け取った僕は両手に力を集中してその蓋を開け、ややドヤ顔でアキさんに渡す・・・というのがいつもの流れなのですが・・・、
あかん。
ん?今まで開かなかったことなど無いのですが・・・。大体、というか100%の確率で開いてるはず。中々手ごわいなぁ・・・よし、もう一度、
ヌオオオオオ!!!!!
と全力でトライ・・・。
あかん・・・。
びた一文開きません。ピクリともしないのであります。こういう時は温めるんだっけ?・・・とググってみたらやはり「温めると良い」と出ていました。中身の糖分が瓶と蓋の間で凝固している場合はそれを溶かし、全体が低温で冷やされて金属部分の蓋が縮んで瓶を締め付けている場合はそれを元に戻す必要があると・・・というわけで、瓶の蓋を手で温めました。2分くらい握っておいて温度を上げて、いざゆかん。もう一回・・・
ンゴゴゴルァー!!!
もう全力、120%の力を出した・・・。
あかん・・・・。
あかん。もうあかん。びた一文あかん。
蓋は微動だにしない・・・。そして手が痛い。もう力が入らなくなりました・・・。
「アキさん、ちょっと今日ムリだわ」とその日は断念。
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翌朝、テーブルの上にそれはありました。まるで僕を試すかのように、僕の席の前に。いや、昨日僕が置いといただけなんですが。
大丈夫、僕は前日の夜考えました・・・グリップ力を損なわず、且つ手が痛くならない方法を。
これは使わなくなったサーフィンのグローブです。冬の日本海は水が冷たくてグローブが必須アイテムなのですが、永く使っていると溶着部から浸水が始まって、こうなるとちょっと使えない。じゃあもう御役御免かというとそんなことはなくて、これ、冬の洗車の時に重宝します。手が水にぬれないので寒くないんです。(・・・って冬の海に入る人間が洗車が寒いとか言うか・・・うん、別物なんですサーフィンは・・・)そんな洗車用のグローブを装着した僕は、もはや無敵感しかありませんでした。ちょっと瓶を持ってみると、グリップ力もあり、ラバーの弾力で手が痛くない・・・。きた。これはきた。<温める+グローブ>という最強の組み合わせ・・・もう開くぞこれは・・・。
いざ。
フッ・・ググググ・ヌッ・ヌオオオッッッ!!!!!
朝7時すぎ、もう150%出した。持てる力を完全に出し切った・・・。
あかん。
・・・。
あけや。瓶、もう、あけ・・・あ・・・。
気持ちが折れました。会社行こう・・・。
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その日の夜、会社から帰ってきた僕は少し深めにググりました。しかし瓶の蓋に穴をあける以外の最強の方法は「温める」・・・これに尽きる。それ以上のマル秘な方法はどこにも載っていなかったのです。ほう・・・。僕は洗面所へ。
ドライヤーの温風で蓋を猛烈に温めること約2分。よし。グローブ装着。
ンでゃゴ○ぢうyぐghゴゴルァー!!!!
というわけで、思いつく最強の方法をもってして、蓋はやっと・・・
アッカナーイ♪♪♪
開っかなーいのでありまーす!ンガハハハハ!!あかん、あかんぞ。もうあかん、笑えてきた。<温める(強)+グローブ>のパターンでも開かないっておい、桃よ。ピーチのボトルよ、瓶 of the 桃よ・・・。
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熱湯を張った器にブッこんでみました。約2分。もう熱くなった。中身はしらん。もはや開けること以外考えられないのであります。これが最後だ。もうできることはやりました。我、人事を尽くして天命を待つ・・・。
いざ。
こjで◇ゃい\^iyqひうs◀dあうyー!!!!
もう奥歯欠けたんじゃないかな。毛細血管は多分2万本くらい切れました。凄い顔になっていたんじゃないかと思います。寒い冬の朝にスクーターに乗る女性のあの表情のような、そんな(どないやねん)何ともいえない表情で、プルプル震えながら、もう全身全霊の力で・・・。
やりきりました。もうやりきりました。
そして、
・・・。
もうしらん。
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2017.12.31追記:続編書きました↓↓
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