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2025年5月

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5/1(木)

昨晩は4月の日記をアップした。投稿前に読み返し、自分の日記で何度も吹いた。我ながら安い。

夜、本の整理をしていたら、学生の時に買ったカフカの短編集が出てきた。この本、昔はどの作品も全く意味が分からなかったが、20年ぶりに開いて「流刑地にて」を読んでみたら、驚くほど意味が分からなかった。

 

5/2(金)

「昨日のお昼、公園でサンドイッチを食べました。遠足で来ているらしい小学生が遠くに見えました。真っ青な空と葉っぱの色んな緑の配色が合う、合いすぎる。この景色のハンカチが欲しい!」

先月の日記に、ある方からメールが届いた。その冒頭。ご本人の許可を得て引かせてもらった。あたたかい日差し。緑の匂い。やわらかい風の音や、子どもたちの声まで聴こえてきて、気持ちが、ぱあっと明るくなる。その場にいなかったのに、忘れたくない景色になった。

 

5/3(土)

今日は出勤。朝ごはんを食べながら「どうもスイッチが入らんなあ」とボヤいていたら、娘が「やる気!元気!森脇健児!」と吠えながら2階に上がっていった。娘の言うとおりだ。

 

5/4(日)

街角のクリエイティブに、尾道の記事が追加されている。と、ページを開いたが最後。一気に全部読んでしまった。『とまる尾道、あそぶ尾道』と、加納穂乃香さんの『おのみちあちこち日記』…どちらもかなりボリュームがある上に、おもしろすぎる。一緒に旅をしているような楽しさがある。

 

5/5(月)

昼まで時間があったので、2時起床で島根の海へ。夜明けと共に入水し、4時間波と戯れた。

帰ってから『おつかれさま』の10話・11話・12話を一気に観た。脱水症状。床上浸水。

 

5/6(火)

連休最終日。昨夜から雨が降り続いている。今年のゴールデンウィーク、私はたったの2.5連休であった。その2.5のうちの1は終日雨。そしてサーフィンは半日のみ。しかし、別にどうということはない。辛さはほとんど感じない。「おしん」の佐賀編くらいのものである。

 

5/7(水)

仕事から帰ると、自動車税の払込用紙が届いていた。自動車税は車にかかる税金だろう。私ではなく車に言え。

 

5/8(木)

ふくらはぎは第二の心臓と言われている。つまり、心臓は第二のふくらはぎなのである。そう考えると心臓も大したことない。

 

5/9(金)

新しいローマ教皇が決まったようだ。Sさんから「唐木さんは選挙に出なかったんですか」とメッセージが来た。結論から言うと、今回は出ていない。ローマ教皇も悪くないが、年間休日とかその辺のことがわからない。教皇になってもサーフィンができなければ意味がないのである。

 

5/10(土)

昼から娘の中学校の体育祭へ。ダンス、リレー、何を見ても泣ける。おじさんの証。

夕方からNetflix漬け。『おつかれさま』を観終わった。大傑作。11話以降、泣きっぱなし。

 

5/11(日)

メルカリで鉋を買った。右勝手の際鉋。我が家は築40年。和室の框が歪んでいて、建具の調整が必要なのだ。

石原慎太郎著『あるヤクザの生涯  安藤昇伝』を読んだ。ヤクザの伝記を読むのが好きだ。誰の伝記を読んでも全く参考にならない。

 

5/12(月)

昼休みに弁当を食べていたら、突如として ウチヤマダフーヅ朝礼。ウチヤマダフーヅの朝礼は急に始まる。今回も若干の戒め要素あり。

夜、風呂上がり。手に取ったパンツのゴムがヨレヨレになっていて「これ結構キテるなあ。ええ加減寿命かなあ」と呟くと、奥さんが笑って「いつまで履くん?もう捨てたら?」と言う。確かに、履く時に上から見ると、生地が薄くなって、フローリングが透けて見える。「そうだな」と答え、両脚を通した。そののち少し考えて「やっぱり、もう少し頑張ってみるわ」と返した。夢を追う若者のような台詞だが、薄くなったパンツの話である。

 

5/13(火)

朝、neconosからメールが届いた。浅生鴨さん主宰の同人誌『ケチ本』の紹介。豪華執筆陣。ぜったい面白いはず。即注文した。

夕方、際鉋が届いた。はやく削りたい。

 

5/14(水)

朝から嬉しそうに主張する娘。

「動物の謝肉祭って知ってる?その中の『白鳥』っていう曲が大好きなの!」

所属している吹奏楽部で、今度演奏するそうだ。

「ホントに大好き!」

「そんなに好きなんか」

「もう生まれ変わったら白鳥になりたい!」

「白鳥か。けっこう暇だと思うぞ。スマホとか見れんぞ」

「別にいいよそんなの!飛べるし」

「確かに。飛べるのはいいな」

「学校だってすぐ行けるよ」

学校は行くのか。

 

5/15(木)

今日は仕事が休みであった。朝、奥さんが仕事に行く時に「仕事から帰ってきたら私が知らないうちにお風呂とかトイレとかピカピカになってて包丁も研いであるサプライズお願い!」とのこと。

いや、それはもはやサプライズではないだろう。

そう思っているようでは凡人である。

こういう時は、クオリティで驚かせなければならないのである。私は風呂やトイレ掃除を効率化するために自分用にカスタムしたブラシや刷毛を駆使して水廻りの掃除に励んだ。300番、1000番、5000番の砥石をそれぞれアトマの中目で面直しして、シコシコと包丁を研いだ。

図書館へ行き、身内の見舞いに行き、ジムで走って泳いだ。Tさんに教えてもらった韓国ドラマ『トラウマコード』を2話まで観た。面白すぎて困っている。もう寝なければと、必死の思いで一時停止して、これを書いている。

なんにせよ、休みの方が忙しい。

 

5/16(金)

"I can't get no satisfaction." という歌詞はおもしろい。「満足じゃない状態を得られない」…ミック・ジャガーが「もう恋なんてしない」から着想を得たのは明らかである。

 

5/17(土)

7時に次女を部活の遠征先まで送って行き、そのまま木工の師匠Qさんの工房へ。届いた際鉋の台直しである。台直しの後、8000番と天然砥石でキンキンに冴えた際鉋を持って帰り、障子の上桟を削った。ワシ何屋やねん。

 

5/18(日)

休日出勤。しかも早出。3時に起きて島根へ。ここのところ週末に合わせて西ウネリがヒットしている。気圧配置と波高モデルが一定の条件を満たしている場合はできる限り出勤するようにしている。我ながら責任感の塊である。

海からの帰り、石見の山奥を走っている時に野生の猿を見た。家に着いて家族に伝えるとすかさず

長女「ともだち?」

次女「挨拶した?」

妻「一緒に写真撮った?」

家族の絆。

 

5/19(月)

月曜ばかりがやって来る。土曜や日曜も同じ頻度で来てほしい。

 

5/20(火)

夕方、0800*******知らない番号からの電話。あまりにしつこく鳴るので仕方なく出ると、明らかに詐欺電話。インターネット回線費用が大幅に安くなるというもの。最近この手の電話が増えた。と、私はいつも、電話をスピーカーにする。iPadでApple Musicを開き、ウルトラソウルを大音量で再生した。横に座っていた娘が不思議そうな顔でこちらを見る。

イントロが始まる。

男「お使いのソフトバンク回線からKDDIの回線に切り替えていただければですね」

松本のギターが鳴る。

私「はい」

男「月々の料金がですね」

稲葉「どれだけ頑張りゃいい」

私「はい」

稲葉「誰かのためなの」

途中までちゃんと返事をして、あとは放っておく。ウルトラソウルの向こうで、男は何かを説明している。

私は至って真剣である。そうでもしないと、この時を楽しめない。

男はサビの途中で「もしもし」と言っていた。

 

5/21(水)

『トラウマコード』を観終わった。最高。全8話、あっという間に駆け抜けた。

薄くなったパンツが限界に近づいている。もはや網戸。

 

5/22(木)

まだ5月だというのに驚くべき暑さ。今日もどこかで大黒摩季が歌っている。

手で掬うタイプのヘアトリートメントが苦手だ。なぜ、押したらニュッと出てくる普通の容器に入れないのか。左手で容器を持ち、右手で蓋をくるくる回して開けて、蓋を持ったまま空いた指で中身を掬う。掬ったトリートメントが落ちないように気を付けながら蓋を閉める。わしゃ中国雑技団か。

 

5/23(金)

夜、焼肉の食べ放題へ。食べ放題といっても、私も今年45歳、完全な大人である。分別というものがある。体重の増加や翌日の胃もたれのことを考えて、食べ盛りの若者のように後先考えずガツガツ食べた。

 

5/24(土)

胃がもたれている。

 

5/25(日)

初めて電話する相手に「唐木」という漢字を伝えるのが難しい。

昔「唐変木の変を取って唐木です」と説明したら、電話を切った後で上司から「でも唐木は変人だからな。変も付けといた方がいいんじゃないか」と言われて妙に納得したことがある。唐変木俊介。

後輩が私の苗字を電話で説明していて「カラキのカラはトウガラシのカラです」と言っていたこともある。辛木俊介。

 

5/26(月)

ひろのぶと株式会社から新刊が出るようだ。米澤渉『踊る阿呆の世界戦略』 早速予約した。

読むものが沢山あってうれしい。

 

5/27(火)

ベントレーからウチヤマダフーヅ朝礼。購読しているマガジンはメールで届いて、そのまま全文が読める。基本的には夜まとめて読むのだが、ウチヤマダフーヅ朝礼だけは即拝読と決まっている。今日もありがたいお話であった。東に向かって一礼。

 

5/28(水)

今日はすごいネット広告を見た。見出しが「えっ!?明日までに企画書?よし、生成AIだ!」もう靴下もAIに履かせてもらいなさい。

 

5/29(木)

4月からトラックドライバーとして働き始めた友人Kと会った。研修で上長が何度も繰り返す「運行前点検」が「うんこ前点検」に聞こえて、笑いを堪えるのに必死だったと言う。はて、何がおかしいのか。これは大変なことである。うんこ前点検を徹底する会社では、トイレに行きたいと思っても、まず駐車場まで走ってエンジンルームをチェックしなければならない。うんこの前に、必ず点検をしなければならないのである。たとえ急に催して漏れそう…!という危機的な状況でも、外へ出てタイヤの溝や摩耗具合、空気圧をチェックしなければならない。この時、タイヤにヒビが入っていたら特に危険な状態だ。バーストしてしまうかもしれない。自分が。

 

5/30(金)

街角のクリエイティブで上田豪さん廣瀬翼さん加納穂乃香さんの尾道旅行記を読んだ。田中泰延さんのエッセイも合わせて『地球の歩き方 / 尾道』として売り出されてもおかしくない。圧倒的なボリュームと面白さである。

尾道は隣町。私の家から車で30分ほどである。幼少期から何度も通ったあの町で、こんな出会いがあったのか。こんな驚きがあったのか。みんなあそこを歩いたのか。そして帰っていったのか。

記事の中に、誰もが知る絶景スポットの写真が並んでいるわけではない。旅先で大事件が起きるわけでもない。ただただ、人と人との関わりがきらきらと、あたたかく光っている。それらはどんな絶景よりも美しく、また忘れられない出来事ばかりだろう。旅は人と人。さよならと言うから旅になる。これは何かに似ている。そういうことは、しかし地球の歩き方には載っていない。

 

5/31(土)

文房具屋の試し書きの紙に、ものすごい達筆で「たけのこ 痔」と書いてあった。

今日は末日。これをアップして寝る。2時起きでオンショア覚悟で鳥取へ。

 

 

5月が終わった。

 

 

 

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