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2025年7月

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7/1(火)

ミイデラゴミムシが屁をこく動画を見ている。屁といっても人間のそれとは役割が違う。彼らは身の危険を感じたら尻から100度のガスを出して相手を攻撃する。優れた機能に見えるが難点がひとつ。屁の角度が悪い。尻から背中方向に急角度で噴出されるのだ。どの動画を見ても、噴出された屁の一部がミイデラゴミムシ自身の背中にもかかっている。本人も少しくさいのではないか。

 

7/2(水)

6月分の日記に届いたメッセージに返信。深謝。ありがとうございます。

今日は月初のウチヤマダフーヅ朝礼。バーバリーの一文はノートに書き留めた。

仕事帰りのジム。ウェイト・ラン・スイムのハードモード。週末の波乗りに備えて、身体に刺激を入れるべくフンフン。全身がパンパンになったところでラン。ハイペースで走っていると、不意に右のふくらはぎがプチッと音を立てた。イモ欽トリオ風に言えば100%肉離れである。片足を引きずってプールへ。股にプルブイを挟んで800だけ泳いだ。

しかし困った。超人的なスピードで治さなければ海に行けない。「肉離れ 最短」「肉離れ 2日 回復」など、ひたすら検索しているが、何もヒットしない。最高裁まで行く。

 

7/3(木)

丸めた紙をゴミ箱めがけて投げた次女。外れて床に跳ねた。見ると渾身の変顔をしている。そのままゴミを拾ったが、捨てずにまた元の位置へ。再度投げるとまた外れた。見ると先程とは違う変顔をしている。また取りに行き、戻って投擲。外れて新たな変顔。それを何度繰り返しただろうか。「もう変顔がない」と嘆きつつ放った一投は、吸い込まれるようにゴミ箱の中へ。人は自らを極限の精神状態まで追い込むことによって、驚くような成果を生み出すことができる。

 

7/4(金)

少しまともに歩けるようになったが、さすがにまだ肉離れは治らない。明日の波乗行は中止。H女史推薦の『国宝』を観に行くか。「横浜流星がね、唐木くんと同じシュンスケって名前の役で出てるの」とのこと。つまり私が国宝であり、横浜流星であると。なるほど。声に出さなくても言いたいことはわかる。

 

7/5(土)

ジムで肉離れの痛みが出ない範囲で軽めのウェイト。からのスイム2500でカリッカリになったところへ焼肉という至福。

幡野広志さんの新刊「ポケットにカメラを入れて」を読んだ。これは人との関わり方、生き方の話。そして、愛し方について考えさせられる貴重な一冊。カメラは二人目の自分だと確信した。

 

7/6(日)

『国宝』を観た。

ふと『悪人』を思い出した。悪人、曽根崎心中、喜久雄と春江、喜久雄と彰子。吉田修一はとにかく逃避行なのだな。元に戻れない哀しみなのだな。

家に帰って奥さんに「横浜流星がシュンスケっていう名前で出とったわ。つまり俺も出れる可能性があったわけで、もっと言うと俺は横」まで言ったところで「それ今日の日記に書けば?」と返ってきた。非の打ちどころなき阿吽の呼吸。我が家の二人道成寺。しかし日記に書くのはやめておこう。

 

7/7(月)

七夕。みんなが願いを書き込んだ短冊は、明日以降、全国の係員が回収して私のところに持ってくる。誰の願いを叶えるか考えるのが毎年の楽しみである。

 

7/8(火)

ツーブロックの刈り上げ部分が伸びたのでバリカンで刈っていたら、右側を刈ったところで充電切れ。コードを差したが、充電中は電源が入らない。もうスリーブロックでいく。

 

7/9(水)

どのテレビ局も、夏は天気予報の地図を赤く塗りたがる。とにかく暑い暑いと言いたがる。私は薄々気づいている。あの地図を青く塗れば、少し涼しくなるのではないか。

 

7/10(木)

とある会合の申込案内がメールで届いたのだが「参加される方の氏名(送り仮名含む)および役職をご記入ください」とある。「ふりがな」ではなく「送り仮名」とは、なかなかの要求である。私には関係のない話だが、人によっては「石破茂る」「竹下登る」などと書かなければならないわけで、申し込みの段階で少なからず躍動感が増す。

 

7/11(金)

来週末に迫る参院選。スタッフに選挙カーにポスターに…今回も大変である。私の場合、立候補していないのに投票用紙に名前を書く人が続出するので、毎回選挙カーや街頭で「唐木!唐木俊介です!立候補していません!どうか投票しないでください!」と言って回らなければならない。やれやれである。

 

7/12(土)

週末を狙ったように北東ウネリがヒット。肉離れ経過良好。勇んで鳥取波乗行。5時半入水。良波堪能。パドルしすぎて腕もげる。

波チェック用の双眼鏡を落として壊してしまった。双眼鏡といえばうちの奥さんである。いつかの某お笑いライブ会場に持っていって「なにこれ!せっかく買ったのに!不良品?ぜんっぜん見えない!」と、買ったばかりの双眼鏡を前後逆に構えて怒っていた。

 

7/13(日)

Amazonのセールで工具類を物色している。カートに溜まった商品を見た奥さんから「それホントに要るの?」と聞かれるたびに向き直る。奥さんは木工専門の道具や電動工具のことがわからないのだ。ちゃんとそれぞれの機能や用途を説明した上で要りませんと答えている。

 

7/14(月)

夕方まで雨。事務所を出ると、外は涼しかった。夏の夕方は今日くらいの涼しさがありがたい。夕涼みとは夏の季語だが、もはや現代においては不可能な嗜みである。

永井荷風の作品に「いちごの実」という短編がある。初夏の夕暮れの話である。この書き出しがたまらない。「自分は何か美しいものを眼にしたいと思うて、夕暮に小川を越した町端れを目差して、ぶらぶらと歩いた。」

 

7/15(火)

某WEB講演会を視聴したのだが、司会者が「よろしくをお願い申し上げます」と言っていた。一度だけの言い間違いかと思ったが、その後も何度も「よろしくを」と言っていた。独立した個としての「よろしく」がとてもいい。矢沢み。

 

7/16(水)

ウチヤマダフーヅ朝礼。今回も最高。戒め部分多め。

夜、本州全域で多くの人が甲高い異音を耳にしたと思うが、それは男子バレーボール日本代表を応援していた我が妻の声である。

しかし男子の試合はパワーがすごい。彼らのスパイクは、時速120キロを超えるという。私は生まれ変わってもバレーボールにだけはなりたくない。

 

7/17(木)

コンビニでビニール傘を買ったら948円だった。ビニール傘は一律500円ではなかったか。最高裁まで行く。

昨日「生まれ変わってもバレーボールにだけはなりたくない」と書いたが、もっとなりたくないものがある。車のタイヤである。この世でいちばん過酷な運命であろう。

 

7/18(金)

すごいタイトルのブログを発見。

「僕がフリーランスになって10年間で学んだ、たった一つのこと」

少なっ…

 

7/19(土)

久々の南東ウネリ。1時に起きて高知南西部へ。4時間超のロングドライブを経て目的の波にありついた。日中は強いオンショアに苦戦。しかしどんなコンディションでも波さえあればサーフィンはできる。日没まで3ラウンド、からの満州軒。ジャン麺にご飯大盛りでグランドフィナーレを飾る。至福。仮眠をとりながら来た道を戻り、家に帰ってきたのは0時半。23時間遊んだ。我ながら優秀。

 

7/20(日)

参院選の開票速報を見ている。某党の議席獲得に驚いてチャンネルを回すと、どの局でも「SNSを活用」と報じていた。FBやインスタでは殆ど見なかったが、このSNSとはTwitterやThreadsのことだろうか。どの言葉が、どう使われ、どのような力を生んだのか。私はTwitterをやめた日からずっと、良貨が悪貨を駆逐する可能性について考えている。

 

7/21(月)

朝は次女の部活の送り迎え、夜は長女の塾の送り迎え。娘たちの送り迎えをするために生まれてきたと言っても過言ではない。最近では、次女はTOMORROW X TOGETHER、長女はATEEZが好きなので、あらかじめ車で流しておくと乗り込む時に喜んでくれる。ときどき小林旭の自動車ショー歌などを大音量で流しておくのだが、まったくウケない。

夜。淡路島旅行についてプランを練る。

 

7/22(火)

某所。高速道路を降りてすぐの電光掲示板に、

「あちちだよ 全員集合 水分補給で だいじょうぶだあ」と表示されている。

やかましい。

 

7/23(水)

大阪万博に行ったA社長に、何がいちばん凄かったか訊ねると「人の数」と返ってきた。17万人が入場した日に行ったそうだ。私も早く行きたいが、人が多いのと暑いのが厄介である。もう万博が来い。

 

7/24(木)

帯広の最高気温が40度だという。夜のうちに降り積もった雪が全て溶けるのではないか。

 

7/25(金)

地球の自転速度が急加速しているというニュースを見た。良い傾向である。しっかり練習して加減速のスキルを身につけてほしい。平日は加速し、土日祝は減速すべきであろう。

しかし自転というのは滑稽である。地球は太陽の周りを回りながら、自分自身もぐるぐると回っているのである。これは、急いで東京へ行く時に新幹線の中で1号車から16号車まで走っているようなものである。

 

7/26(土)

半日出勤。帰りに靴のメンテナンスのためにミスターミニットへ。レッドウィング・ポストマンのソールをビブラムに張り替えてほしいと言うと「在庫が無くて取り寄せになるので、1ヶ月くらいかかります」とのこと。どのツラさげてミニット言うとんねん。

月刊ショータが更新されている。今回も唸った。前田将多さんは政治家になるべきではないか。何年か前に選挙ポスターだけは作成されていたと思う。

 

7/27(日)

朝起きてスマホを開くとウチヤマダフーヅ朝礼。ルッキズムのお話。今日も痛快。

昼、娘たちがハマっている恋愛バラエティ番組を一緒に見た。高校生同士が2泊3日で旅行に行くというもの。「男の人みんなカッコいいでしょ」と次女。パパも出よっかなと言おうとしたその時、こちらを向き直った次女が「パパ鼻毛出てるよ」と言った。陽が照りつける七月の庭に、蝉の声が響いた。

 

7/28(月)

BeforeDawn拝聴。リスナーからの「一人称をどう書くか」という相談が面白かった。この日記で私は「私」を使っているが、決まり事にしているわけではない。気が向いたら「余」「吾輩」「朕」なども使えばよいと思っている。町田康の「餓鬼道巡行」だったか。一冊の中で「私」や「僕」が入り混じっていた。もう一冊、町田康で一人称といえば「どつぼ超然」だろう。

 

7/29(火)

一句啓上。

ショコラティエ ソムリエパティシエ ボンバイエ

現代の松尾芭蕉といっても過言ではない。

 

7/30(水)

なんと8/19に「僕たちは」シリーズの配信があるという。

「僕たちは ずっと阿呆のままいたい」

『踊る阿呆の世界戦略』の著者、米澤渉さんも出演されるようだ。前回は事前に把握できていなかったのでリアルタイムで見られなかった。今度は正座待機で臨む。

 

7/31(木)

車に乗り込むと外気温41℃…エンジンをかけて発進するかと前を見ると、フロントガラスに一匹のカメムシがとまっていた。ワイパーで落とすのも気が引けてそのまま発進。これが、ガラスにしがみついたまま動かない。結局10キロほど離れた目的地までそのままの体勢だった。バイパスでは時速80キロくらい出したが、微動だにしない。夏の陽射しに灼かれたツルツルのガラスの上だというのに。トムクルーズか。

 

 

7月が終わった。

 

 

 

 

 

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