唐木俊介のブログ

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もらい事故

投稿日:

 

 

わずか5秒ほどの出来事です。

 

 

 

某所でサーフィン。2月にしては天気も良く、小ぶりながら形良い波もあってリフレッシュした休日。海から上がってウェットスーツを脱ごうかとゴゾゴソしていると、1台の車が通り過ぎ・・・て行くのかと思ったけれど、ん?こちらに近づくにつれてスピードを落として・・・あれ?

 

 

 

 

 

睨んでいる。

 

 

 

運転手の兄ちゃんが険しい表情でこちらをギロっと見ている。僕は軽く会釈。でも表情は変わらない。睨んでいる。

 

 

 

ん?俺が何かしたか?いや何もしていない。車を停めている場所が悪いのか?ん?もしかしてここはこの兄ちゃんの私有地なんだろうか?

 

 

 

・・・と、兄ちゃんはこちらをギロっと睨んだまま通り過ぎて行った。ナンバープレートを見るとどうも地元の人らしい。いや、私有地なら言うよな。「ここはウチの土地だから、車は停めないで」うん、言うはず。でもそうじゃない。ただ睨んで、睨んだまま通り過ぎる。何かがムカついたんだろうか。でも海から上がったばかりで心当たりは全くなし。「自分は用事があるのに、こいつらサーフィンしやがって」ということだろうか。あるいは「ここは俺の縄張りだ。勝手な事すんじゃねぇ」ということだろうか。何か言ってくれないと分からないじゃないか兄ちゃん。

 

 

 

窓を開けて何か言うわけでもなく、ただ睨んだまま通り過ぎる。おいおい穏やかじゃないねぇ。サーフィンに散見されるローカリズムについてここで触れるつもりはないけれど、ここはローカルオンリーなポイントだったのだろうか。いや、だとすれば言ってくれ兄ちゃん。兄ちゃんの場合はちょっと分からなすぎた。睨んだまま、行くんかい!!と。

 

 

 

いや待て、もしかして兄ちゃんは同性愛者で、僕のことが気に入って、兄ちゃんの持つ一番凛々しくオトコマエな表情で真っすぐ僕を見つめていたんじゃないのか。という線も考えたけれど、それなら会釈したら向こうもニコっとするよな。何だったんだ兄ちゃん・・・。

 

 

 

その間たったの5秒ほどの出来事で、なんともいえない"もらい事故"感・・・兄ちゃん、他人のファンな休日に謎の爪痕を残すなんて・・・やめてくれよな。あれは無いわ。やはりいつもニコニコ、キープスマイルで過ごさないと・・・などと思ったのでした。

 

 

 

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ふ~。

 

 

 

なんか後味悪いし、もらい事故にちなんでひとつ書いとくか。

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

わずか5秒ほどの出来事です。

 

 

 

大学生の時、終電で帰ってきた最寄の高田馬場駅でトイレに入りました。

 

 

 

 

 

すると、「オッサンとはこういう人のことです」という感じのジャージ姿のオッサンがズボンをずらして座っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小便器に。

 

 

 

 

 

 

 

これ女性の皆様、分かります?小便器っていうのはそれに向かい合って、立って用を足すわけです。オッサンはそこに「後ろ向き」で「座って」いるのです。普通には座れないので、やや前かがみになって。ズボンを下ろして(もちろんパンツも)、露わになった尻だけをクイっと突き出して小便器に乗せているのです。

 

 

 

 

!??

 

 

 

 

 

入口で立ち止まってオッサンを見たその瞬間です。謎の体勢を維持したまま、鬼の形相で

 

 

 

 

「なに見てんだよゴルァ!!!」

 

 

 

とオッサンが吠えた。

 

 

 

吠えられてハッとしたその時、後ろからスーツ姿の二人組が来た。当然目に入るわな、オッサンが。

 

 

 

するとオッサンは

 

 

 

 

「なに見てんだよゴルァ!!!」

 

 

 

 

と再度怒号を張り上げた。

 

 

 

完全に意味不明な状況に巻き込まれた瞬間にスーツの片方が言った「えっ!?」・・・この一言で僕は我に返った。今でも忘れない、あの「えっ!?」・・・鬼の形相で吠えるオッサンの体勢とその、なんていうか・・・。うん、それしかないわ。「えっ!?」は正しい。「えっ!?」以外無い。「えっ!?」は正解だし、正義だ。僕らは駅のトイレの入口に3人立ち並んだまま。オッサンは何かブツブツ言いながら下を見たまま動かない。その間たったの5秒ほどの出来事、その時は何の感情も無くただ驚いただけ、そんな感じでした。

 

 

こみあげてきたのはその後のこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

全速力で走ったんだろうな。

 

 

 

でも間に合わなかったんだろうな。

 

 

 

どうしても我慢できなかったんだろうな。

 

 

 

お告げが来て、衝動に駆られ、両腕がちぎれるほどに振って振って走って走って、ドリフト気味にようやく辿り着いたトイレ。その個室が埋まっていた…

 

 

 

 

嗚呼。

 

 

 

 

 

深夜0時過ぎ、アパートへの帰り道、僕はオッサンのことを思った。行為の後、紙はどうしたのだろうか。過酷な状況下、極限の精神状態でリリースされた成果物、その最終処理はどうしたのだろうか。そしてオッサンの精神は今どんな状態なのだろうか。オッサンは一体どこに住んでいるのだろうか。オッサンの職業はオッサンの出身はオッサンにも家族がオッサンの老後はオッサンの夢は・・・しかしそんな思いを巡らせるにも、常に浮かんでくるのは深夜に不可解な前傾姿勢で小便器に大を解き放ったオッサンの姿・・・オッサンが歴史的大解放を我慢できなかったのと同様に、僕もまた腹の奥底からマグマのように湧き上がる笑いを抑えることができなかったのでした。

 

 

 

 

しかしオッサン、「なに見てんだよゴルァ」はないだろ・・・これに関しては「うるせえよ見るに決まってんだろ」としか言いようがないじゃないか・・・。いや絶対見る。見えるし、見る。嗚呼・・・もらい事故だこれは・・・。

 

 

 

 

 

っていう話。

 

今でも時々、泥酔の3軒目なんかでしますね。

 

 

 

 

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ちょっと睨まれただけで妙に嫌な感じにさせてくれた兄ちゃんと、理不尽に怒鳴りつけられたのに不思議と腹が立たない愛すべきオッサン。同じもらい事故なのにこうも印象が違うか・・・でもなんだかオッサンの話を書いていて、兄ちゃんのそれはどうでもよくなってきました。大は小を兼ねる、便器もまた然り、といったところでしょうか。

 

って何言ってんだ俺。

 

 

 

 

 

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