唐木俊介のブログ

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正解はこうだ。

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休日、サーフィンに行く。住んでいる広島県福山市から鳥取や島根、また高知や徳島の海まで、片道150キロ~250キロといった距離を運転する。早朝から海に入りたいので、夜中の1時や2時に家を出る。前日仕事から帰るのが遅くなったら寝ずにそのまま出ることもある。家を出て数時間車を運転し、海に着いたら夜明けとともに入水する。

 

 

もう、やりまくる。少し休憩してまた入水。昼食をとって仮眠してまた入水。日暮れまでやってゴーホーム。時々そのまま海辺で車中泊して翌日も海に入る。長距離サーファーは、せっかく海まで来たのだからと、身を粉にして海に入るのだ。ほとんど寝ずに一日中運動する。やりたくて仕方がないのだ。できるだけ多くの、良い波に、自分の思うように乗りたい。

 

 

そんな消耗激しい一日の流れの中、いかに短時間で効率的に休憩を取るかは超重要だ。疲れたらサッと横になり、少しでもいいから深い眠りを得たい。

 

 

多くの長距離サーファーがハイエースなど大型のバンに乗っているのもよくわかる。ボードを積んでもまだ十分横になれるスペースがある。

 

 

 

 

ところで僕の車は、プリウスである。

 

 

 

 

 

 

ファミレスから出たら120%の確率で同じ車が3台並んでいるというあの型である。日本では10人中15人が乗っているという、例の型である。

 

 

実際にこの型のプリウスは海でも見かける。他のサーファーが乗っているプリウスのうしろを覗くと、

 

 

 

 

みんなこんな感じで荷物を積んでいる。後部座席を全て倒してフルフラットにして、端っこに積むパターンだ。

 

 

自宅が海に近い人は横になってまで休憩する必要もないだろう。これで十分だ。

 

 

しかし家から海が遠い人にとっては、この積み方では具合が悪い。

 

 

すぐに横になれないのだ。運転中や休憩の時、横になりたいと思った時に一度車から降りて後部を片付けるのは面倒くさい。いつでも横になれるスペースが欲しい。

 

 

僕がたどり着いた正解はこうだ。

 

 

 

後部右側をフルフラットにして、マットと寝袋を設置するパターンが正解

 

 

後部座席の右側2列分を倒してフラットにして横になれるスペースを作り、左側の前後シートの上にボードを置く。これが正解だ。これなら身長180センチの僕も足を伸ばして横になれる。ボード2本、ウェットスーツなど装備一式を載せ、かつ自身が横になれるスペースを確保し、いつでも休憩できる状態にしておくのだ。というわけでプリウスサーファーの皆様、次の週末はこの積み方で海へゴーです。

 

 

 

 

・・・

 

 

ん?なんか聞こえるぞ・・・?

 

なになに?

 

ムリ?

 

はい、らない?

 

ボード2本も、積め、ない??

 

 

・・・あっ!ああ、はいはい、わかったわかった。静かに静かに。

 

 

彼らはこう言っているのだ。

 

 

「助手席のヘッドレストが高すぎて、うまくボードが置けないぞ!これじゃ2本も積めないじゃないか。そもそもヘッドレストの上はカーブしているから不安定じゃないか!」

 

 

 

 

と、これが彼らの主張である。ごもっともである。

 

 

ヘッドレストが付いた状態でボードが置けるはずがない。誰が見ても明白である。

 

 

ええと、一旦ヘッドレストを外してください。はい。

 

 

 

 

・・・おお、騒ぎが収まった。よしよし。みんな今頃、一斉にヘッドレストを外していることだろう。

 

 

 

 

ふぅ・・・

 

 

 

と落ち着いていると、なんだなんだ?またうるさくなってきたぞ?

 

 

ん?なになに?

 

ダメ?

 

すべる?

 

カーブで? ズレ て? あぶない?

 

 

・・・あっ!ああ、はいはい、わかったわかった。静かに静かに。

 

 

彼らはこう言っているのだ。

 

 

 

「助手席のヘッドレストを取り外せばスペースができるのでボードは置けるが、ヘッドレストを差し込む部分のプラスチックが滑りやすいので、カーブでハンドルを切った時に遠心力でボードがズレて、ボードが背もたれから落ちてくるじゃないか!」

 

 

 

 

と、これが彼らの主張である。ごもっともである。

 

 

ヘッドレストを差し込む部分はプラスチックで滑りやすい素材だ。そこにボードケースを置いたらカーブの遠心力で滑るのは当然。誰が見ても明白である。

 

 

しかもヘッドレストが無い状態での走行は法律違反だ。

 

 

 

やれやれ。もう少し考えてほしい。

 

 

 

 

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正解はこうだ。

 

 

 

 

 

 

 

ええと、外したヘッドレストの代わりに、これを差してください。

 

 

 

 

 

 

この【プリウス専用薄型滑り止め付きヘッドレスト前後セット】をシートに装着すれば、ボードを2本積むスペースを確保できる。2本積む場合、1本はフィンを付けた状態でも積める。滑り止めが付いているため、急カーブでハンドルを切ってもボードが滑ることはない。これ、本当に調子が良すぎるのだ。

 

 

 

ふぅ・・・。

 

 

 

と落ち着いていると、なんだなんだ?またうるさくなってきたぞ?

 

 

ん?なになに?

 

オートバックスに ない?

 

どこ に?売ってるんだ?

 

ネットで探しても出てこない?

 

 

「そんなもんどこにも売っとらんぞ!!」

 

 

 

と、これが彼らの主張である。ごもっともである。ごもっともだが、待ってくれ。よく考えてほしい。「プリウスでサーフィンに行くときにショートボードを2本良い感じに積むために助手席と後部左列に取り付ける滑り止め付きのヘッドレスト」など、需要があるはずがない。誰が見ても明白である。

 

 

そんなもの、市場に出回っているはずがないのだ。

 

 

これは、無いのだ。

 

 

まだこの世に1セット、僕が持っているこの1セットしかない。

 

 

だからこれが欲しい人は、作るしかないのだ。

 

 

 

というわけで、これから【プリウス専用薄型滑り止め付きヘッドレスト前後セット】の作り方を説明する。

 

 

 

 

なお、ここから先は、無料だ。

 

 

 

 

 

 

  • ホームセンターで外径13㎜のステンレスパイプを買い、14cm×4本に切り分ける。

 

 

  • 適当な大きさの木を二本用意し、適当な大きさにカットする。鉋で表面を整える。

 

 

 

  • 現物合わせで穴の位置を決めて印をつけ、ボール盤で13mmの穴を開ける。

 

 

  • 鉋とサンドペーパーで木を成型する。

 

 

 

 

  • 塗装する。塗料はツヤ消しのラッカーを使用。ツヤありだと仕上がりが安っぽくなる。できるだけ純正パーツのような質感を求めたい。カンナで丁寧に削っておけばツヤ消しの塗料でも上品な表面感になるから安心してほしい。

 

 

↓↓乾燥後。写真が暗くて恐縮だが、これが伝えたかった。ツヤ消しなのに、ツルンとしているのだ。

 

 

 

  • ステンレスの丸棒を装着。パーツは全てホームセンターで売られている。

 

 

 

・・・と、ここで一点修正。後部座席用の木が直方体なのが気に入らない。少しカーブさせなければ、ボードの接面がフィットしない。

 

 

 

よし。再塗装。

 

 

 

 

と、形になってきてテンションが上がるが、ここで問題が起きた。ちょうどいい滑り止めのゴムが無いのだ。スポンジ状のものや、「スベり止め」と称して売られているゴムをいくつか試したが、ダメなのだ。ボードを出し入れする時は少し持ち上げてスライドさせるので、そこで滑り止めが効いてはならない。通常時は滑りやすいけれど、上に物が乗った時だけその重さで滑り止めが効くような素材じゃなければダメだ・・・。

 

 

ここで1週間くらい考えた。しかし適した素材が無い・・・むぅ・・・

 

 

と、風呂上がりにストレッチしているときにまさかの閃き。

 

 

そうだ!俺が今乗っている、これだ!!

 

 

 

 

ヨガマットである。

 

 

重さがかかった時だけ滑り止めが効くじゃないか!!と、世紀の大発見に歓喜し、僕はマットを切った。

 

 

 

 

 

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こうして、【プリウス専用薄型滑り止め付きヘッドレスト前後セット】が出来上がった。僕はこれを装着して休日、サーフィンに行く。住んでいる広島県福山市から鳥取や島根、また高知や徳島の海まで、片道150キロ~250キロといった距離を運転する。早朝から海に入りたいので、夜中の1時や2時に家を出る。休みの前の日、仕事から帰るのが遅くなったら寝ずにそのまま出ることもあ・・・

 

 

 

えっと、何の話だっけ…

 

 

 

 

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